ブランドについて

昔から「物が売れる」ということに興味があった

同じような商品がヒットしたり売れなかったりする
その理由はなんだろう?その答えにはなかなか到達できそうにも無い
そのなかで「ブランド」というものについても色々考えたりしてきた
今回はその話
小学生の頃、ワンポイントのポロシャツが流行した。それもラコステとかアーノルドパーマーの時代
そのころは、中学の校則でソックスのワンポイントが禁止されたことが話題になったり、ちょっと隔世の感がある。
しばらくして「無印良品」という店が展開し始めた。
中には「無印良品は無印と言いながら、『無印良品』というブランドだよね」などとしたり顔で言う者もいた
自分は無印良品のコンセプトは、ブランドの否定ではなく先祖返り、ブランドが売り手・作り手への信頼に直結するものに戻すこと。と、当時から思っていた。今も間違ってはいないと思う。
ので、批判になっていないなあと感じていた者だ。

ここまでが前提

ブランドというのは経済的にいうと「付加価値」なんだろう。
シルバーアクセサリーが、下手なブランドのプラチナよりも高値で、ちゃんと売れていくところを見ると
消費者は商品よりもブランドを買っていると言っても間違いでは無いと思う

話がややこしくなるといけないので、ここでいうブランドは、付加価値として機能するブランドのことを言っています。
ダイソーのシャツにでもメーカータグは付いていますが、そこに記されているメーカー名はブランドのくくりに入れていません。

その付加価値を高めてきた戦略・戦術であれば、とっつき易いのでは?
ということで、以下は思いつく限りブランド価値の成り立ちについて分類していってみようと思う。
もちろん例示するのは自分が思う典型例であって、普通は複数の手法を組み合わせていると思うので、そのつもりで。

1,歴史そのものがブランドになっているケース
 エルメスルイ・ヴィトンなど
 その店やメーカーの歴史が古く、商業的ブランドが成立する前から知名度があったようなパターン
 特に手を打たなくても知名度があり、雑誌などの特集があれば歴史やエピソードを記載されるレベル

2,デザイナーがブランドになるケース
 シャネル、アルマーニなど
 シャネルくらいになると、本人のエピソードが「世界ふしぎ発見!」で取り上げられたりする
 こうなるとデザイナーが引退し、亡くなった後でもブランドとして営業していける
 新進デザイナーは、ショーやコレクションに参加して、認知を高め、「モード」をつくっていくことに腐心していると思う

3.イベントのスポンサーになるケース
 この手法が一番多いと思う
 スポーツイベントのスポンサーになったり、機材を提供したり。スタジアムのネーミングライツもここに入ると思う
 イメージし易いのは時計メーカ
 セイコー東京オリンピックでストップウオッチを提供し、画面にタイムと共にSEIKOが映ることで名が知られた
 タグホイヤーはF1で知った
 オメガは、アポロで月に行ったことが、今も伝説になっている。

 自動車メーカーがレースにワークスで出るのもそう
 スポーツ用品では、スター選手の道具を開発するという形もある、エアーマックスとか
 この手法の良いところは、そのイベントのドラマとか感動を取り込むことができることだと思う。
 別に時計がSEIKOだろうがどこだろうがタイムが変わるわけでも無いけれど、世界新の記憶の片隅にSEIKOはすり込まれてしまう。

4,フィクションの小道具として露出するケース
 3.のフィクション版で、原作についてはブランドというより製作者側の演出意図だと思います
(私にとってジタンというタバコのイメージは「飛んでイスタンブール」で作られました)
 が、それを映像化する際には、協力企業の力が働きます
 例を挙げるなら
 「ティファニーで朝食を」のティファニー。まだ日本が貧乏なころ、ニューヨークに行ったことのある知り合いが一人も居なくても
 大抵の人は5番街にティファニーという店があることを知っていたと思う
 もう少し近い例でいうと「のだめカンタービレ」のドラマで、千秋がプレゼントをスタージュエリーで選んだシーンを思い出します。
 あれでスタージュエリーというブランドとミステリアスセッティングという宝石の留め方ががっつり記憶に残りました。
 映画「キャノンボール」おける三菱車とか、成功例とは言い難いものも多いですが
 これもロケ地や小道具を提供するだけで、ヒット作品のドラマや感動を取り込めると思えば「お得」だと思います

5.CMでイメージを高めるパターン
 あまり説明はいらないとは思いますが
 うまいなあ、と思うのは
 コカ・コーラ バブル期の若いサラリーマン。OLが集団で出てくるシリーズ
 ポカリ・スェット 一色紗英とかのシリーズ
 そもそも、こんな文を書こうと思ったきっかけは、年末にYoutubeを見ていて、ポカリ・スェットの歴代CMを繋いだものを見たからで
 商品はあまり前に出さず、今でいう「リア充」なシーンを描いて、その傍らには・・・というパターンですね
 このパターンは割と好きなのですが、食品系に良いものが多い気がします。
 自動車なんかは、イメージを上げようとすると共感を持ちにくい傾向がありそうな・・・

思いついたのはこれくらい。
気がついたら補足もしくは別項で

 

2019.3.14追記

無印良品のコンセプトは、ブランドの否定ではなく先祖返り」と思っていましたが、「トレードマークの情報化」かもしれない